「英語を話せるようになりたいから、留学しよう!」 そう考えたとき、多くの人が思い浮かべるのは、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアといった“英語圏”の国々ではないでしょうか。
でもちょっと待って。 「本当にその選択肢だけでいいの?」
今回は、私自身のデンマーク留学経験をもとに、「英語を学ぶなら英語圏」という思い込みを少し疑い、「英語を学ぶなら英語圏以外の選択肢もある」ことを提案します。
英語を学ぶ留学を考えている方にとって、「非英語圏」も選択肢に入れる価値があることが伝わればうれしいです。
なぜ多くの人が英語圏への留学を選ぶのか?
日本人に人気の留学先といえば、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアあたりではないでしょうか?
それらの国が選ばれやすい理由を整理してみました。
- 英語力を自然の伸ばせそう
- 安全性や留学経験者の多さで安心
- 情報が多く、留学のイメージが湧きやすい
- 「英語=ネイティブと話すのが1番」という考えが根強い
英語が母国語の国に行けば、最速最短で、効率よく英語力が伸ばせそうと期待する人は多いのではないでしょうか?
確かに、英語圏の国では常に英語漬けの環境にいられそうですよね。
また、多くの人がその国や都市、学校での留学を経験しているので、インターネットやSNSで情報が沢山あり、不安を解消できる点も大きいです。
王道英語圏への留学で見落とされがちなデメリット
ここまで見てみると、「やっぱり英語を学ぶには、英語を母語とする国に行くべき!」と思われるかもしれませんが、見落とされがちなデメリットもあります。
日本人留学生が多くなりがちで、英語を使う機会が少ないかも
人気都市の語学学校や大学には日本人留学生が多く集まります。
友達がいない環境で、はじめは同じ日本人がいるという安心感があるものの、意識しないと日本人で固まりがちです。
よほど強い意志がない限り、言葉が通じやすい人と行動をともにしたくなるのは自然なことですよね。
私はデンマークに留学していましたが、デンマークには、お隣のドイツやイタリアから留学しに来ている方が多かったです。
ですが、やはり同じ言葉を話す人同士集まっているところをよく見かけました。
国籍関係なくあるあるかもしれないですね。
学費・物価が高くなりがち
「日本の学費は安い」と言われるように、欧米諸国の学費は数百万円かかることも少なくありません。
加えて、大都市であれば、生活費や交際費が高くなることもあり、交換留学で授業料が免除の人であってもその影響は無視できません。
特に学生として留学をすると、アルバイトできる時間が限られていることが多いので、留学中に経済的な我慢を強いられるかもしれません。
ネイティブスピーカーとの会話は難易度が高い
「英語学習にはネイティブと話すのが一番」とよく言われますが、実際はスラングや速い会話についていけず、会話に苦労することも。
学校のように英語を教わる場所では問題ないのですが、先生たちは生徒に合わせてわかりやすい英語を話してくれるので、本物の英語と言えないかもしれないです。
一方で、生活の中でネイティブスピーカーから英語を学ぶ環境としてはハードルが高いと考えます。
特に、英語ビギナーの方がいきなり本場の英語に触れても、聞き取れないということがほとんどだと思います。
聞き取れないと、話せない。話せないと自信がなくなる。自信がなくなると友達が作りづらくなる…。
こんな風に負のスパイラルに陥ってしまいます。
非英語圏で英語を学ぶ魅力
実は、私は留学先を選ぶにあたって、先ほど述べた3つを懸念し、非英語圏への留学も視野に入れはじめました。
その結果、デンマークに留学することにしました!
私が非英語圏のデンマークを選んだ理由
英語だけで生活できる
心配だったのが、英語で授業を受けたり生活したりできるかということでした。
授業はシラバスで確認し、すべて英語で開講されることを確認しました。
一方で、生活面に関しては、留学前に、非英語圏でも英語が通じやすい国はどこか、こちらのサイトの英語能力指数を参考に探しました!
「レポートをダウンロード」から世界のランキングが確認できるので、参考にしてみてください!
私は2022年版を参照したのですが、その際、デンマークはトップ5に入っていたので、留学先候補の1つになりました!
デンマークの公用語はデンマーク語で、英語は母語ではありませんが、実際の半年間の留学生活の中で、英語が通じず困ったことは1度もありませんでした。
留学費用が抑えられる
私は、自身のライフスタイルも踏まえて、物価の高いデンマークであっても、アメリカやイギリスの都市部に留学するよりも安く留学できることがわかりました。
単純に、東欧、アジア圏などに留学すれば、王道英語圏に比べて物価が安いため、留学費用を抑えられます。
留学費用を抑えつつ、語学力も国際経験も得られる、経済的で、コスパが良い選択肢になります。
気になる方は、こちらに実際デンマーク留学でいくらかかったかまとめていますので、参考にしてみてください!
実際に留学したからこそわかった非英語圏留学の魅力
ここからは、実際にデンマークへ留学してみて感じた、「行ってみないとわからなかった良さ」をお伝えします。
英語が「第二言語同士」だからこそ会話しやすい
デンマークでは、現地の学生も先生も、そして街の人々も、基本的にはみんな英語は第二言語。
つまり、英語を学んで身につけた人たちです。
だからこそ、少し言葉に詰まっても「ゆっくり話す」「言い換える」「聞き返す」といったやりとりが自然にできる空気があります。
私自身、留学中に当たり前だと思って使っていた英単語が他の留学生に通じず、意味を聞かれたことがありました。
それをきっかけに、「相手が知っている単語が自分にとって当たり前とは限らない」と気づくことができました!
それ以来、「通じなかったら言い方を変えよう」「遠慮せず聞き返して大丈夫」と思えるようになって、英語での会話がすごくラクになりました!
やっぱり、英語はツールであって、大事なのは「会話」だと改めて感じることができました。
日本人が少ないからこそ、英語を使わざるを得ない環境に
私が通っていた大学には、日本人が私を含めて3人だけでした。
ただ、学部には私1人だったので、他の2人とは一度食事をした程度でした。
さらに、60人ほど住んでいた学生寮でも、日本人は私だけ。アジア人は私を入れて2人だけでした。
この環境、最初はちょっと不安もありましたが、結果的には「英語を使うしかない」状態が自然にできたことが、語学の上達にすごくつながったと感じています。
英語を話すしか選択肢がない状況って、思っている以上に英語力を鍛えるのにぴったりです!
英語+αで視野が広がる
英語だけじゃない学びが得られるのも、非英語圏への留学の大きな魅力です。
デンマークは、他のヨーロッパの国々からの留学生が多かったので、日本ではあまり接点のない国々の人たちともたくさん関わることができました。
彼らと仲良くなったことで、新しい知識がつき、世界の見方が変わりましたし、「次はこの友達の国にも遊びに行こう!」と人生の楽しみが増えました(笑)。
もちろん、アメリカやカナダ、オーストラリアなどでも多国籍な人々と出会えますが、非英語圏での留学では、よりローカルな人と交流ができる分、異文化理解も深まるのではないかと感じています。
非英語圏への英語留学がおすすめな人
次のような人には、非英語圏の留学がフィットするかもしれません。
- 王道英語圏の物価の高さがネックな人
- 費用を抑えて、でも濃い経験をしたい
- ネイティブスピーカーと話すことに気後れしそうな人
- 第二言語として英語を学ぶ環境で安心して英語を使いたい人
- 英語以外の価値観や文化にも触れてみたい人
- 人とは違う体験がしたい人
英語が話せるようになることはもちろん、「世界中の人と話せるようになった」「自信がついた」といった副産物も得られるのが非英語圏留学の醍醐味です。
まとめ|英語を学ぶ留学先は、もっと自由でいい
「英語を学ぶ=英語圏」という選択肢ももちろんありですが、英語圏だけが「英語を学ぶ国」ではありません。
英語を手段として身につけたいのであれば、学ぶ場所はもっと自由に選べるはずだと考えます。
私はデンマークで、多国籍の友人と英語で語り合いながら、かけがえのない経験をしました。
あなたもぜひ、“王道”以外の選択肢にも目を向けてみてください。それはきっと、あなたにしかできない留学体験になるはずです!
とはいえ、まずは留学の目的を考えることが大切です!
留学の目的が曖昧な方は、留学先選びを始める前に、以下の記事も参考にしながら、留学の目的を考えてみてくださいね!
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